少し前の、自民党の男性国会議員の「育児休業(以下、育休)をとりたい」発言が
波紋を投げている。

16日の円サロン参加者に意見を聞いてみた。

まず悠々自適の定年後生活を送る男性。
「賛成だけど条件が必要。たった1票の差で大事な法案が可決か否決か
ということだってある。だから休業中は委任状を出して意思表示するとか
条件をつけるといい」と。

なるほど。

育休ではないが、病欠などの時は委員会採決時、「差し替え」という制度が
あって、別の議員をその委員会の委員にして採決させる。しかし本会議は
差し替えが不可能だから委任状ということは一案かも、とみんなが納得。

「他の国では次点の人に議員活動をさせますよね」との意見も。
これは代理議員といって、北欧など多くの諸外国で実施されている制度。
育休を半年なり一年なりとる国会議員がいる場合、選挙で落選した次点の
議員が代わりに議員の資格を得て活動する。

「同じ党の人ならいいけど別の党の人なら、法案の賛否も政策も違う。
それでも育休を取るだろうか。歳費も特権もなくなるし(※1)」と言う人もいた。
育休をとる雇用者は給与の67%を貰える仕組みだから、次点の人との間で
歳費等については分け合うということも考えられるが、小選挙区では次点は
他党の人だからこれは難しい問題。

「今回申し出た人は党の執行部に相談もせずにマスコミでぶち上げたらしい。
名前を売るためのパフォーマンスなんじゃないの」と言うのは杉並区政にも詳しい男性。

「そうですね、私もそんな気がする。育休を取りたくても取れない女性だって
多いのに、何もかもそのままもらって仕事を放棄するのはおかしい」と若い女性。

確かに2014年で女性はようやく86.6%の取得率だが、非正規では取れていない人が多い。
男性は2.3%、それも20日以上取った人は1000人に4人もいない。

「それでも私はもろ手を挙げて賛成」と言ったのは2人の子を育てている女性。
「子育ては女性だけでなく二人ですべきものなのに、あまりにもこの国では
男性が関われない。産後すぐって母体は完全じゃない。配偶者がいてくれたら
心身ともに安心。絶対、男性の育休は必要だから、その先鞭を国会議員が
付けてくれるのはいい。大臣や社長、上司が育休を取らない限り、男性の育休取得は進まない」と。

制度をつくり、休業中の収入を50%から67%に上げても、社会の意識が
「育児は女のするもの」という固定観念にまだまだ縛られている。

25年前、政治の世界に入った時、“パパクオータ(90年代から北欧中心に
広まっている、父親に一定の育児休暇を取得するよう割り当てる制度)”を
党の政策にと提唱したが、「パパクオータって何?」と、党の執行部にも
連合の大幹部にも言われた。
父親の育児参加は当時より増えているが、男性の育休取得率の低さを考えると、
国会議員が率先して取るのは意義があると私も考える。

実際にはまだ国会での代理、ペアリング(※2)、委任などの条件・制度が整って
いないから、例えばすべて休むのではなく本会議の時は出席するなどしてもいい。
それに育休中だって家で勉強はできるし、政策資料も読める。
子育てで広がるであろう視野は、本当に人々が望んでいる政策の立案にも
役立つに違いない。

「税金で働いている国会議員なのに」などとケチなことを言わず、日本の男性の
育休取得が当たり前になり、子育てをもっと楽しめるよう、ぜひ国会議員の男女
共に出産・育休制度を整えてほしい。
それによって、正規・非正規にかかわらず収入が確保され、子育てを権利として
楽しめるような社会を早く作りたい、というのが全員の意見だった。

 

(事務局注釈)
※1 デンマークやフィンランドでは育休中でも報酬は全額支払われるそうです。
※2 ペアリングとは、各議員が、自分とは反対の意見を持つ議員とあらかじめペアを組んで、片方が欠席する場合、他方も欠席するなどと取り決めることで、欠席が投票結果に影響を与えないための制度

男性国会議員の育休、どう思う?