会報誌 「MADOKANEWS62号対談」
「地道で温かな復興」

復興大臣室にて

平野達男さん(参議院議員・東日本大震災復興対策担当大臣)
円より子(前参議院議員)

★ 復興庁が担うもの ★

円:
3月11日以降、特に7月に復興担当大臣に就任されてから、ずっとご多忙な日々かと思います。
地震の時は内閣府副大臣でいらっしゃいましたが、どうしていらしたんですか?

平野:
あの時はTPPの話をしていて外務省の建物にいました。夜に地元岩手に戻ろうとしたのですが、
新幹線も動かないし電話も通じませんでした。そうこうしていたら福山官房副長官から連絡がきて、
翌朝には自衛隊のヘリコプターに乗って被災地にはいりました。

円:
あれから半年が過ぎました。復興に時間がかかり過ぎなのではという声もありますが。

平野:
最初の3ヶ月は原発のこともあり復興どころではありませんでした。今はかたちとして目には見え
にくいですが、じわじわ進んでいます。これまで制度がなかったところについても第3次補正予算
で対応ができるようになります。

円:
自治体の担当者から、何かしようとすると省庁の間をたらいまわしにされて、そういう体制が復興
の妨げになっていると聞いたのですが、東日本大震災復興対策本部はどんな体制になっている
のでしょう。

平野:
各省庁からほぼ均等に集まって、合計約150人の所帯です。それぞれが自分の省庁を代表して
きていて、やるべきことをしっかりやっています。たしかに縦割りな体質はありますが、そこは理解
したうえでうまく連携できるよう現実的に進めています。逆にメニューが多すぎて、目の前の積みあ
がった問題対応でいっぱいになっている自治体には消化するのが難しいので、簡素化を進めて
いるところです。

円:
対策本部から復興庁になるとどう変わるのでしょう。

平野:
総理をトップに据え、東北三県に復興局、沿岸部に出先機関を設置して、各省混合で結成した
チームを派遣し自治体のサポートを行います。

円:
復興庁の役割ですが、原発とはどう関わっているのでしょうか。

平野:
たとえば小学校の除染は環境省ですが、清掃は復興庁です。風評被害対策から被災者の生活
支援、20km圏内で戻れない人の対応、新しい町づくりなど多岐にわたっています。時間がかか
ると離れて戻ってこなくなる人が増えてコミュニティがなくなってしまいますから、安心して住めて、
つなぎでも仕事ができるよう雇用の創出も喫緊の課題です。

★ 東北の将来ビジョン ★

円:
東北の将来ビジョンについてお聞かせいただけますか。

平野:
将来ビジョンは市町村ごとに作っていて、国はサポートしています。

円:
国が主導して代替エネルギーなど、東北が日本の最先端のモデルになるような復興への期待が
大きいようですが。

平野:
仙台や石巻は経済成長も織り込んだ復興を目指すべきと考えますが、三陸は小さな町の再生をする
のがいいでしょう。地域によって目指すところが異なりますが、水産や林業、観光など従来の産業を建
て直すことでしょうか。それから高齢者に優しい街づくりをすることでしょうね。そもそも東北はこの大震
災がなくても過疎化や高齢化が進んでいた地域です。華やかだったり目新しい何かではなく、地道で
温かな復興を進めていきたいと思います。

円:
被災者の生活など時間をかけていられないことも多いですし、時間との勝負ですね。先は長いので、
体を大切にどうぞがんばってください。

※文中敬称略

2011年10月5日 平野達男さん(参議院議員・東日本大震災復興対策担当大臣)「地道で温かな復興」 会報誌~MADOKANEWS62号対談~