エリカ・ジョング「飛ぶのが怖い」

アメリカではフェミニズム運動がおこり、エリカ・ジョングの「飛ぶのが怖い」やベティ・フリーダンの「フェミニン・ミスティック(邦題:新しい女性の創造)」がベストセラーになっていました。フランスではボーボワールシモーヌ・シニョレらが「私にも中絶経験がある。女に中絶の権利を」と勇気あるデモをして中絶解禁を迫ったりと、世は女性運動が花盛り。

それが日本にも押し寄せ、女性が抑圧されている分野で声をあげ始めました。その一つが強姦救援センターでした。働く女性たちが有志で立ち上げたセンターですが、彼女たちが行った独自調査のデータや資料は他では得られない貴重なものでした。

例えば、強姦なんておどろおどろしい名の犯罪はほとんど見知らぬ男が加害者なのかと思っていたのに、実際に強姦された女性たちの調査から浮かび上がってきたのは、大半が近所のおじさん、同じアパートの隣人といった具合に、親しくはないけれど知ってはいる人で、つい用があるような感じで部屋に入って来て強姦に至るといった形が多いことがわかったのです。

そもそも、私のような未遂事件ですら、「忘れろ。外で話すな」と言われる社会ですから、強姦されたことがわかって同情したり支援してくれるより、非難され汚らしいものでも見るような目でさげすまれるのがオチ。誰も公表などしたくないのでしょう。それに、どれほどみじめな気持になるか、想像に余りあります。怒りから加害者を捕まえてと警察に告発しても、警察で第2のレイプをされる。つまり、いやらしい目で聞かれたり、そんな服装をしているからだとか夜歩くからだと非難され、二度目のレイプを受けた気がするんです。

円のワンポイントレッスン

被害者のほうが怒られ非難されるって変ですよね。でも、そんな状況だから被害者は告発しないほうがいいと思ってしまうわけです。というわけで、公表されている強姦事件の4~5倍の事件が毎年おきていると言われています。

怒りから正義を求めて告発し、弁護士らに励まされて裁判に訴えても、強姦と認定されるのはまれなんです。

 

 


「おかしい。どうして?」
と私はいろいろ調べました。
すると、『強姦罪(※1)は強盗罪(※2)よりも刑が軽い。』
ウソでしょ!!と思いました。

弁護士も裁判官も警察官も国会議員も男性だけだった明治時代にできた刑法なんです。でも100年後、平成になってからの改正の時にも法務大臣の諮問機関の法制審議会刑法部会に1人も女性委員はいなかったし、強姦罪に疑問を持つ人もいなかったんです。

第5回はここまで。
次回9月25日の「強姦罪は強盗罪より軽い?」 ⑥
「Vol.6 着衣が破れるのは…」に続きます。

<脚注>
※1 強姦罪(刑法177条)
暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。

※2 強盗罪(刑法236条)
1.暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2.前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

 

 

vol.5 『強姦罪は強盗罪より軽い?』 ⑤「告発には勇気が」