工場のように広い敷地に、かわいくコーディネートされたダイニングキッチンやリビング、寝室のブースがいくつもあり、家具だけでなくカーテンやグラスなどの小物も山積みされている北欧家具イケアのショップ。組み立てるのは大変だけど、シンプルなデザインと低価格で我が国でも人気ですよね。

そもそも子どもたちが落書きしても、小刀で木彫りをしていて机を傷つけてもいい安価な家具として本国のスウェーデンでは売りだしたとその昔、聞きました。
その昔、というのは初めての海外旅行で北欧に行った1970年以降、私は北欧関係の本や資料を読み漁り、一時は北欧の研究家(?)になろうかと思っていたそんな時、鎌倉書房から家具の本を出すので手伝ってという話があったのです。1976年頃だったと思います。その本のスポンサーが当時、日本に進出しようとしていたイケアだったのです。

私が飛びついたのは言うまでもありません。小学校の頃は建築家になろうと思ったほど建物や街づくりやインテリア好き。(といっても私がなりたかったのは他にもパイロット・船長・宝塚の男役と山のようにあるので、建築家はその中のひとつに過ぎませんが)。

ただ家具の本といっても、一般の女性に読んでもらい、イケアのことも知ってもらうなら北欧の女性の生きざまや暮らし方も取材しようと提案し、夏の一ヵ月、カメラマンたちと総勢5人で北欧取材にでかけたのです。

何世紀も前の古い萱葺屋根の住居を改造した広々とした家に高級家具のそろったセンスのいい家庭もありましたが、驚いたのは30代の若い共働き夫婦の家。できるだけ、そういう家庭を訪問したのですが、どの家も広い!

うさぎ小屋に住んでいる日本人には考えられないゆったり感。

夫婦の寝室、子ども部屋にダイニングキッチンまではわかる。キッチンは広々していて朝食はそこで摂る。でも夕食は隣に大きい食卓のある広い食堂で。そして居間も二つある。これはひとつは家族団らん用で、もうひとつは来客用だったり、夫婦二人でゆったりと読書をしたり、レース編みしながらおしゃべりしたりする部屋なんですね。だから子どもがおもちゃで遊んでいても、来客があるからといって片付けることはしない。

そうか、日本だって、祖母の家は仏間と座敷と茶の間があったっけ。現代の東京のうさぎ小屋に住んでる私だけなのかな、こんなに感激するのは、と思いながらカメラのアシスタントをしたり、間取りを書きとめたり、共働きの女性の一日の生活を聞いたりと走り回っていたのです。

そうそう、当時は超円安だったから、スウェーデンでは安価なイケア家具も日本ではとても高価だった。でも、イケアを取材したおかげで、社員割引きで売ってもらい、一時、私の部屋はテーブルもソファもカーペットも小物もイケア尽くしでした!

私円より子が取材して作った「北欧の暮しとインテリア」の表紙

第24回はここまで。
次回2月12日の「北欧との出会い」⑥
「vol.25 大人気の水洗トイレ」に続きます。

vol.24 『北欧との出会い』 ⑤「イケアの家具」