ストックホルムでシェアハウスに泊めてもらってから30年以上の月日が流れましたが、今、少しずつ日本の住まいの形態も変ってきたかなと思います。

私の友人ですが、夫と離婚調停中で、夫も鬱屈した思いがあったんでしょうね、妻になぐりかかってしまった。恐くなった妻は、子どもの学校のこともあるし、夫に出ていってもらいたいと思っていた家をついに出ることに。

ただ、調停が決着すれば元の自宅に戻る確率が高いから、わざわざアパートを借りるのも面倒。というわけでウィークリーマンションを借りたのです。

狭いけど、ベッドも2つある。冷蔵庫、クローゼット、机もあるので、まあまあ短期間なら子どもと二人でもがまんできると彼女は言っていました。

確かに、アパートを借りると敷金・礼金をとられるし、短期には向いていません。

知人の若い女性はシェアハウスに入居しています。ストックホルムのマルガレータたちが自分たちの仲間でアパートのフラットをシェアハウスとして借りたのと違ってウィークリーマンションの経営会社が運営しているということですが、2ヵ月ほど仕事の関係で東京にくらすため借りたとのこと。このシェアハウスにいるのは、イギリス人夫婦、韓国の留学生、インド人の勤め人と、外国人の割合が高いらしい。

日本人はシェアハウスって性にあわないんでしょうか。
30年以上前に北欧でシェアハウスを体験し、母子家庭などにけっこう合理的でいいと勧めてきましたが、ボツボツ最近、そういう実験も始まってきたようです。

子どもたちが出ていって広い家を持て余している人と、料理好きな人、掃除好きな人、働いていて子どもの送り迎えの困難な母子等々が、それぞれの特技や持っている物を活かして共同生活をする、そこへリフォームなどの助成が行政などからあるといいのになあと思います。

血縁だけではないつながりの家族を形成しやすいように、ちょっと支援があれば、孤立して虐待におちいるかもしれないシングルマザーのゆとりにつながるし、一人暮らしの高齢者は幼い子どもが身近にいればこれまでの人生経験を活かして子どもに接することで元気になるだろうし、アパート代を稼ぎたい学生は買物の代行をしたり、子どもの宿題をみてやったりすることで、家賃が軽減できるしといった、ギブ&テイクと、そこに生きがいや思いやりが生まれる住まいのあり方をもっと模索してもいいと思うのです。

障害を持つ人や高齢者のために介護保険でグループホームをつくるのもいいけれど、その一歩手前のところで家と地域を支える「保険」みたいなシェアハウスがあってもいいと思いませんか。

第28回はここまで。
次回3月12日の「北欧との出会い」⑩
「vol.29 子どもの差別」に続きます。

vol.28 『北欧との出会い』 ⑨「日本ではムリ?」