もう30年も前の北欧諸国への旅で、10代のシングルマザーがまわりの人々に子育てを助けてもらいながら職業訓練を受け、自立して生活していく様子を取材した私ですが、日本はまるで違う。
10代で妊娠すると中絶を選ばせるか、高校を中退させてしまうといったケースが多く、母子の自立支援は乏しい限り。
そもそも10代で妊娠なんてとんでもないという考え方が根底にあるんですね。実は10代がもっとも生殖能力が高いのだから、避妊教育をしっかりするか、妊娠出産したら支援してあげればいいと思うのですが。

避妊といえば、その選択肢のひとつの低容量ピルは長年認可されなかったんです。

国会議員になってすぐ女性たちの団体と小泉純一郎厚生大臣に「ピルを解禁して」と陳情に行ったことがありました。
「えっ、日本と北朝鮮だけなの、解禁してないのは。そうか、差別用語になっちゃいけないけど、北朝鮮と一緒かあ」と小泉さんは言い、認可の方向で検討すると約束してくれたのですが、すぐには認可になりませんでした。

その後、児童虐待を防ぐことに奔走していた私は、避妊に失敗をして望まない妊娠と出産をした母親の児童虐待比率が高いことを憂い、避妊の選択肢を広げるため低容量ピルを認可するよう国会で質問しました。
ピルは避妊のためだけではなく、子宮筋腫などの病いにも治療薬として使われていたのですが、高容量ピルだけしか認可されていず、医療界でも低容量ピルの認可が待たれていることを話しました。
この時実は、バイアグラが申請後たった6ヶ月で認可が決定していた。ピルはもう9年以上申請しているのに認可されていなかったのに!
「どちらも副作用があるので、バイアグラは医師の監督のもとで服用する必要があるので、国際基準を採用して迅速に認可」。
ところがピルは「慎重に討議」と。この違い、おかしいと思いません?

質問前に厚生省に問いただしました。ピルの方は世界中で使われているのに「認可しないのは日本の女性は世界の女性と違う可能性があるので世界のデータでは不十分」だと書いてきました。
うん?世界の女性と違う?バイアグラは「海外の臨床データがあるので国内の第3相臨床試験は必要なし」と回答。男は世界の男と違わないのに、女は違う?
よくまあ、こんな返答ができるものだとあきれました。

その後、やっとピルは解禁されましたが、この国は女性の問題は常に後回し。そのツケが、少子化や虐待や、さまざまなところで出てきてるのに。

 

第30回はここまで。
次回3月26日の「北欧との出会い」⑫
「vol.31 離婚しても父親は子育て」に続きます。

vol.30 『北欧との出会い』 ⑪「ピルとバイアグラ」