4月から東京は杉並区の中央線荻窪駅北口と南口で政策の訴え、いわゆる街宣をやっています。6月にある都議選の公認候補者花形あきとしさんと一緒です。

黒田新日銀総裁の「異次元の金融緩和」がG20でも了解されたこともあり(当然ですよね、アメリカだってヨーロッパだって負けず劣らずジャブジャブお札を刷る量的金融緩和をやってるんですから、日本を責めれば自分にはね返ってくるもの)、1ドルは100円を超え、株も1万5000円台になりました。

でも、この春のベースアップ、平均で60円くらいしかあがらなかったんですってよ。それどころか、失業率はあがっている。

メディアの多くが「明るい部分」ばかりとりあげているからか、安倍政権の支持率はハネムーン期間といわれる政権発足からの100日をすぎても70%前後と高い。

うーん、それって確かに筆頭野党の民主党のだらしなさばかり目立つからしかたがないかもしれないけれど、ここでちゃんとしないとどうするのよ、ということで私円より子は街頭に繰り出したのです。

マイクを持つ私の隣にはスタッフが手作りのボードを持って立ってくれます。そのボードには「憲法96条改正をどう思いますか」と書かれ、賛成反対のどちらかにシールを貼ってもらうようになっています。

高支持率に気を良くしたのか、参院選までは自分のやりたいこともタカ派的発言も封じこめると言っていた安倍さんが、「参院選の争点は憲法96条の改正だ」と言い出しました。

96条って何だっけ?多くの人がけげんな顔をして通りすぎます。だいたい、暴風雨がくるから気をつけてという気象予報が出ている日や、突風の吹き荒れている中で、マイクを握っているなんて、政治家って変人と思うほうが正常ですよね。

それでも、ボードに近寄ってきて「絶対に法律の中の法の憲法を改正しやすくしてはいけない」と確信的に「反対」のシールを貼る人がいる。「私は爆撃を受けたことがあるのよ。いくら敗戦後に戦勝国に押しつけられた憲法だからって、その平和憲法を私たちが育ててきたから平和があるのよ、改正しやすくするなんて絶対反対」という80代の女性も。

もちろん賛成派もいます。「96条改正賛成ですよ。9条を変えて国防軍を持たないと、中国や北朝鮮にやられちゃうじゃないですか。朝のテレビで石破さんがそう言ってたわよ」

「96条って何? 9条改正なら知っているけど」という人が一番多かったですね。そういう人には「読んで下さい」と政策ビラを渡しました。

昨年末の総選挙でこの杉並区から出馬し、12日間の選挙期間中、荻窪、阿佐ヶ谷、高円寺、西荻という駅にしょっちゅう立っていたので私の顔を覚えて下さっていて「円さん残念だったわね。再挑戦するんでしょ、この夏」と言って下さる人が多い。そういう人の多くが「96条改正、当然反対よ」と。

私に投票してくれた人が私の支持者とは限らないのですが、民主党の支持者であることはまちがいない、その人たちの多くは、憲法96条についてかなり真剣にその改正を懸念していることが感じられました。

それは反対が賛成の3倍以上で、日を追うにつれ反対が増えているからです。この96条は憲法改正の手続きを定めた条文です。各議院の総議員の3分の2以上の賛成がないと、国会で改正の発議をして国民投票にかけることができないのですが、これを一般の法律と同様、2分の1以上の賛成さえあれば改正できるようにしようというのが、安倍さんたち自民党の96条改正案です。

憲法とは「多数者の横暴を防ぐ」「権力を抑制する」ものでいってみれば国民が権力者を縛るための道具です。その国民のための道具を、使い勝手が悪いから為政者に都合のいいように変えようというのはおかしくないでしょうか。

1票の格差も大きく、投票率も低い今、さらに昨年の衆院選でも4?%の得票率しかないのに79%もの議席率をとれてしまうような小選挙区選挙制度のもとで選ばれた国会議員の過半数だけで、法の中の法の改正ができるとなる意味を考えなければなりません。

権力者が乱用しないようタガをはめる、そのタガを国民が簡単にはずしていいのか、今回の参院選、みんなでしっかり考えたいと思います。

 

第39回はここまで。
次回5月28日の「危険な時代」④
「vol.40 なぜ憲法を変えやすくしたいのかな」に続きます。

vol.39 『危険な時代』 ③「荻窪駅で憲法96条改正について聞きました」