昨年2012年4月に、自民党は憲法の改正案を発表しました。

この改正案は国家と国民の関係を根本的に変えようとしています。国家というのは私たち個人個人が自由を守るために設立した人為的な存在でしかありません。その国家が暴走したり、多数派を握っているからと権力を横暴にふるったりしないように、憲法によって縛ろうとしているのが立憲主義で、私たちの日本という国家も立憲主義国家です。

つまり、憲法は国民が主役であると意味づけています。

ところがところが、自民党の改憲案を見て下さい。前文を読んだ限りでも、固有の歴史や伝統を有する「日本」を守り支える存在としているようです。

もちろん、私も日本を愛しているし、伝統文化も大好き。それを守っていきたいと思う。でもね、国民が主権者であるということをきれいな言葉で不明確にし、国家を優先すべきというのは「憲法」の役割から逸脱するでしょ。

何故、こんなに改憲をしやすくしたいかと気になって、この頃、そういうテーマの記事やテレビをできるだけ見ているのですが、ついこの間(4月半ば)自民党の石破幹事長がテレビで「基本的人権は当然守ります」と。ところが、改憲案を見ると11条で確かに「国民は、全ての基本的人権を享有する。この憲法が国民に保障する基本的人権は侵すことのできない永久の権利である」と書いてある。

現行憲法では「すべての基本的人権の享有を妨げられない」となっているのに、妨げることを禁止しているのを削除するということは将来的に人権を制限したいのかという疑いが残りますよね。

97条は基本的人権の普遍性と不可侵性について書かれているのに、これを自民党は削除しているのも変。

13条のこともおかしい。これは「国民の権利」を「公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と定めているものですが、これを自民党は「公益及び公の秩序に反しない限り」に改正しようとしているんですね。公益の範囲を国が定めて国民の権利を制限しようというものじゃないのかしら。

石破さんて「目つきが悪い」とか「軍事オタク」と言われているけど、私はなかなかフェアな物言いをする人だと思っていたんだけれど、「基本的人権は当然守りますよ」なんて、改憲の中身をごまかしていますよね。

さらに北朝鮮の脅威を言い立てて、人々に改憲しなきゃ日本を守れないなんて感じの言動ばかりで、このところ「こんな人だったの」とがっかりしてます。

ものごとには当然良い部分と悪い部分がある。100%の人に支持されるものなんてありえないし、無駄を削るといっても、ある人には無駄じゃなかったり、無駄が将来に役立つことだってある。

それをしっかり情報公開して読みといてわかりやすく説明する責任があるのに、自分たちの都合のいいことだけ言って済ませては、いくら支持率が高いといってもおごりが出てきているとしか思えません。

ましてや、国民にとっての憲法を変えるのに、とりあえず手続きの96条を変えて、為政者にとって都合よく簡単にしましょうというのは国民をバカにしていることにならないでしょうか。

荻窪で政策を訴えていると(憲法96条だけでなく、女性の社会進出、若者の雇用、アベノミクスといろいろ言いたいことがあるんです)「円さんがんばってよ、民主党に期待しているんだから」と言ってくれる人が多い。

仲間割れしたり、余りにガバナンスが幼稚だったりと猛反省すべきことは多いのだけれど、それを越えて、自民党が衆参で多数をとってしまうと危険だと思って民主党にしっかりしろと叱咤してくれる人も多いのです。対抗するリベラル勢力をしっかり立て直さなければと思います。

もちろんなんでも反対という硬直した考え方ではなく、しなやかなリベラルでいきたいなあと思っています。

 

第40回はここまで。
次回6月4日の「危険な時代⑤」
「vol.41 のほほんとしていたいけど」に続きます。

vol.40 『危険な時代』 ④「なぜ憲法を変えやすくしたいのかな」