猛暑続きでうんざりしている間に、人の噂もなんとかではないけれど、もう皆さん忘れちゃったかなあ。

そう、麻生さんの発言です。ナチスのヒトラーを持ち出して、彼がやったように、誰も気づかないうちに憲法を変えてしまえばいいといった、あの発言です。

国内だけでなく、世界から非難が殺到したので、「自分の発言は誤解されている」と言い、撤回することにしたらしいけど、どう読んでも(どう聞いても)誤解して人々が反発非難したとは思えない。

それより麻生さんのほうが、ヒトラーを選挙で選ばれたと思っていたり、ワイマール憲法を無効化した全権委任法も「気づかれないうちに」通ったと思っているらしいけど、そうではありません。

それにしても、安倍内閣はやっぱり不気味です。

憲法9条を改正し、自衛隊を国防軍にしたい。しかし反対意見が強そうだと思ったら、参院選ではさっとひっこめる。

手続きのハードルを下げるなら、国民も文句を言わないんじゃないかなとばかり、96条をまず改正しましょうと戦術を変えた。

実際、96条改正なんてほとんどの人が最初わからなかったみたいです。荻窪駅で「96条改正どう思いますか」というアンケートボードを持って賛否をたずねたけど、今年の4月なんて「9条は知ってるけど96条って何ですか」と聞く人が圧倒的に多かったもの。

ふーん、あの頃から国民に気づかれないうちに憲法改正すればいいとねらってたのかも。

麻生さんてホント正直な人。

それに比べると、安倍さんはじわーっと、国民がそれこそ反対できないうちに「やるべきことをやっちゃう」術策の人なのかもしれません。

安部首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」は集団的自衛権の行使容認に向けて協議を重ねていて、秋に報告書をまとめる予定です。

この懇談会、容認派ばかり集めています。だから行使容認の報告書が出るのは当たり前。

そこへ人事権の行使です。内閣法制局長官を退任させ、後継に集団的自衛権の行使容認に積極的な外務省出身者を起用したんです。

集団的自衛権とは、同盟国が攻撃されたとき、日本が自らへの攻撃とみなして反撃行動に出ることができるというもの。歴代内閣はその行使を認められないという憲法解釈を一貫してとってきたし、それを支えてきたのが法制局です。

そのトップに「憲法解釈として認められる」という人を安倍さんはもってきたわけです。解釈変更で容認されれば「専守防衛」という日本の安全保障の法体系が大転換されることになります。

法制局トップを変えて、憲法解釈を変えようなんて考えているなら、その手法は余りに乱暴です。

集団的自衛権の行使や9条改正が、この国を守ることであり、国益になると、安倍内閣はいうけれど、中韓との首脳会談もできずにいることこそ国益を損ねているし、集団的自衛権の行使容認が国益を損ねない保障はあるのでしょうか。

私的諮問機関に容認派じゃない人もいれること、人事から入って解釈を変更しようとせず正々堂々と議論ができるようにすることなどなど、一国の総理ならもう少し公正に堂々とやってもらいたい。

やっぱり悪いことをしている(=国益を損ねる)と認識しているから、気づかれないようにしようという行動になるのかしらね。

あぶないですよ、しっかり見張ってなきゃ。

第50回はここまで。
次回8月27日の「戦い済んで」④
「vol.51 <タイトル未定>」に続きます。

vol.50 『戦い済んで』 ③「気づかれないうちに」