モアイ像で有名なイースター島(※)。500年ほど前は数万人の人が住んでいた。ヤシは大きく茂り、それで舟を作りイルカ漁で暮らしていたそうです。ところがその木をすべて伐り尽してしまい、舟も作れず漁にも出られなくなった挙句、何が起きたか。

村同士の略奪戦です。人口は10分の1まで減り、草もなくなり鳥もいなくなり、果ては人間まで食べたとか。

これはイースター島だけの話と言えるでしょうか。

今、世界では石油換算で年間104億トンも消費しています。ではエネルギーはどのくらいあるのかというと、石油、天然ガス、石炭で石油換算で8300億トン、ウランが500億トン、シェールガスが1600億トンくらい。するとすべてで1兆400億トンですから、104億で割るとあと100年でエネルギーは枯渇してしまう!!ことになりますね。

エネルギー消費を減らさないと、いずれイースター島のように滅亡してしまうといっては大ゲサでしょうか。今だって略奪をやってますよね。エネルギーを取りあって戦争が起きているじゃないですか。

イラクだとかリビア、シリア…。石油があるというのは考えてみればやっかいです。アメリカやヨーロッパから軍隊がやってきますもの。

それにしても、将来世代のことを考えればエネルギー消費を少しずつ減らしていくしかないのじゃないか。

いや、だから太陽光発電や地熱をと思いますよね。そう、この太陽エネルギーや風を電気にするのは大変なので単純に湯にするなど、効率良くエネルギーを使うことも大事です。

日本の技術は優秀で、省エネをギリギリまで研究開発してきましたから、あとは使う私たちの問題かもしれません。

家や車や家電はシンプルで長持ちするものを買い、一生買いかえなくていいようにする。えっ、それだと物が売れなくて経済が成長しないから困るですって?

いえいえ、それでいいんですよ。どんどん成長してエネルギーを消費していずれ滅ぶ社会を選ぶより、何百年続く家をリフォームしながら暮らす、車もタイヤだけ替えればいいという生活で、私たちの孫の孫も他の国を略奪しなくても暮らしていける社会のほうがいいと思いませんか。

いつまでも右肩上がりの成長を夢見るより縮小していくことを怖がらない生き方を目指してもいいと思うのです。

原発事故の収束もできていないのに、安倍総理は各国へ原発を輸出しようとセールスマンよろしく走り回っています。

そして東京へのオリンピック招致のプレゼン。

せっかく多くの人が2020年東京でオリンピックができることになったことを喜んでいるのに水を差す気はありません。私も、あのパラリンピックアスリートの佐藤真海さんのスピーチには心打たれました。

しかし、汚染水対策はどうするのか。専門家によれば、どうにも海に流すしか方法がないと言われています。

東京は安全安心、汚染水はコントロール下にある、政府が責任を持つと安倍さんは大見栄を切りました。その通り汚染水をしゃ断できればいいし、それをもちろん願っていますが、470億円もの予算をつけたからってうまくいくものじゃなさそうで心配です。

復興をなおざりにされないよう、またオリンピックに浮かれて成長だけを追い求めず、それこそ成熟した都市にふさわしい美しい景観の落ちついた町づくりと暮らし方を目指したいですが、大丈夫でしょうか。
<脚注>
※ イースター島
チリ領の太平洋上に位置する火山島。周囲には殆ど島らしい島が存在しない絶海の孤島である。高さ5m、重量20tにも及ぶ巨大石像「モアイ」が600体以上も残されている。
モアイを造ったのは五世紀頃移住したポリネシア系の島民の祖先である。モアイの目的・用途については、祭祀目的で立てられたと推測されているが、実際の祭祀形態については諸説あり、定説は未だにない。少なくとも10世紀~17世紀の800年もの間モアイは作られ続けたが16世紀以降は作られなくなった。
モアイを作り、運び、建てる為には大量の木材が必要な上、人口の増加にともなって家屋の建設などのために、大量の伐採が行われた。それにより肥えた土が海に流出し、土地が痩せ衰え、深刻な食糧不足に陥り、耕作地域や漁場を巡って部族間に武力闘争が生じるようになった。部族抗争が始まった頃には木はほとんど枯渇し、ヨーロッパ人が到達したときは一面が草原で覆われていて島民の生活は石器時代と殆ど変わらないものになっていたといわれている。

第54回はここまで。
次回9月24日からは新シリーズ「めぐりあえた人たち」 ①
「vol.55 96歳のお洒落―加藤シヅエ」に続きます。

vol.54 『戦い済んで』 ⑦「イースター島って知ってる?」