めぐりあえた人たちシリーズをちょっと中断。どうにも政府の動きが気になってしかたがないのです。

落選中とはいえ、17年も参議院議員として働いてきた私には、この国の人々の人権や自由が制限されるような社会になるのを阻止する責任があると思うのです。もちろん現職議員だったら、この法案を審議する委員会の理事になり、まずそんなに簡単に審議に入らせないようにしたい。十分に審議時間をとり、その間に党内だけでなく、メディアと国民にアピールして、こんな法案を通しては大変だとわかってもらう―1999年に「盗聴法」成立阻止に向け、法務委員会の野党筆頭理事として、衆議院で強行採択された法案が委員会に付託されてから実に72日間も頑張り通したように、私ならからだを張って頑張るのになあ。

といくら思っても、今はただの浪人。そうは言っても、この特定秘密保護法の危険性を多くの人に訴えなくては。

この法案に先立ち、衆議院では国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案が可決されました。このNSCを持つ国々との情報交換・意思疎通を緊密化し、効率よく日本版NSCを機能させていくためにはどうしても特定秘密保護法が必要だと安倍総理はいいます。

日本には秘密保護法がなく、どんな重要な情報ももれてしまうから、同盟国も安心して我が国に重要情報を教えてくれないとも。そういわれると、ふーん、そうよねと思う人もいるかもしれません。

米国にはもちろんNSCがあり、政府が情報の制限ができるし、様々な秘密がある。でも日本よりずっと情報公開しています。

イラク戦争の時、日本の海上自衛隊は米国の軍艦へ給油活動をしていましたよね。その活動実態、実は米国の情報公開制度によって明らかにされているのです。

日本の海自艦船の情報は非公開。しかしアメリカの軍艦の航海日誌記録の公開によって間接的に給油活動の実態がわかったといいます。

日本はとにかく市民に情報を公開しない隠ぺい体質の国なのです。今でもそんな状況なのに、秘密保護法ができたら、たとえば原発の安全性について知りたいと活動する人も、政府の活動をチェックしようとする人も、活動が制限され、人々の「知る権利」は後退してしまうと思われてなりません。

特定の秘密とは防衛、外交、スパイ活動防止、テロ活動防止の4分野が対象なので、まあ、この法案が通ったって私たちは無関係じゃない?と思う人も多いでしょう。

しかし、規定された項目は広くあいまいで、行政の判断でいかようにも拡大できるから恐いのです。

原発や基地の問題で、たとえば辺野古のジュゴンの環境調査結果すら未だに公表されていないこの国では、こういうものも特定秘密にされたら、辺野古への移設反対もできなくなってしまうでしょう。それが政府の目的だとしたら、どんなものでも特定秘密として拡大される恐れはありますよね。

つまり、不都合なものは隠されるかもしれない。それに対し、情報を取得する国民の側は何が特定秘密かがわからないまま罰せられることだってあるわけです。

国会議員だって手足を縛られることになります。憲法では国政調査権が認められていますが、特定秘密保護法では、情報提供の有無と提供された場合の取り扱い両面にわたって行政優位の統制とするため、立法府の国政調査権にまで支障を来す恐れがあるのです。

民主党よ、もっと頑張って、この秘密保護法を廃案に追いこんでほしい。

もちろんそれには、メディアも国民も、この法案の問題点に目を向けて、反対の声を大きくしてくれることが必要です。

みなさん、特定秘密保護法に危機感を持って下さいね。

第60回はここまで。
次回11月19日の「vol.61 オリンピック」に続きます。

vol.60 『あぶない社会の到来?』①「特定秘密保護法ってかなりやばいよ」