先週火曜日(11月26日)衆院委員会で特定秘密保護法案が強行採決され、参院に送られました。
これを「荷崩れ(※1)」で送られてきたと参院ではいいます。国会では変な業界用語が結構あるんですよ。
法案が「つるされた」まま、なかなか審議に入れない時、早く委員会に「おろして」欲しいというように使われるのですが、「つるす(※2)?」、「おろす?」って何かしらと議員になった頃は思ったものです。

「荷崩れ」で衆院から法案がきた場合、粛々と担当委員会に「おろす」わけにはいかない。つまり、問題が多々あるのに慎重な審議もせず、多数を頼りに強行採決してしまった。「ハイハイ」と素直に審議に入らないよう、議院運営委員会というところで法案を「つるし」ておくのが一般的ですが、今回は翌日、参議院の本会議で質疑され、早々に委員会に「おろされ」ました。

衆議院では25日に地方公聴会が福島で開かれましたが、これに出席する陳述者というのは与野党から推薦するので、どんな法案の時も、賛成と反対の意見が陳述されるのに、今回は与党推薦の人もすべて問題点を指摘して反対するという異例の事態となったのに、それでも翌日、採決を強行してしまったのです。国民が反対しようが、問題が多かろうがとにかく法案を成立させようと急ぐ安倍内閣。

ここで問題なのは、本当に国民はこの法案の怖さを知っているのかしらということ。朝日、毎日、東京新聞を読んで人は「あぶない!」と思い、安倍内閣への不信感を募らせているけど、産経、読売を読んでいると、「安全保障環境は厳しさを増しているから、アメリカとの同盟を強化させるためにも、この法案は必要だし、私たち庶民は関係ない」という考えになりがちらしい。独自の情報のない私たちはどうしてもマスコミの論調に左右されてしまうよねぇ。

さて、この法案、12月6日の臨時国会閉会までに、何が何でも成立させるのだと安倍内閣は意気込んでいる。ここで参院がどうでるか。良識の府が泣いちゃうか。どうせ衆院のカーボンコピーといわれ、参院はなくして一院制にしようという意見通り、あってもなくてもいい院になり下がるのか。それとも、この法案を廃案にし、

「ああ、この国は二院制でよかった。」
「参院はやはり良識の府だった。もの言えば唇寒しというような萎縮した社会になるのを防いでくれた」

と人々に拍手喝采されるか、参院の価値の見せ所です。
がんばれ、参院!!

<脚注>
※1 荷崩れ
衆議院で野党が強く反対した法案を、与党が強行採決をして議場が騒然となって混乱をしたり、また野党が採決不当として衆議院本会議をボイコットしたりして抵抗した法案の姿を「荷崩れ」と言います。

※2 つるす
法案が委員会に付託されないで放置されている状態のこと。野党が審議入りに反対する場合に「つるし」たり、「つるしをかける」ことがある。つるされた法案の付託を決めることを「つるしをおろす」という。

第64回はここまで。
次回は12月10日に。

vol.63 『あぶない社会の到来?』③「参院の存在価値が試されます」