明治憲法の公布に先立ち日本各地の少なくとも40数か所で
憲法草案が、市井の人々によって作成されたそうです。
東京あきる野市の五日市で、地域の小学校教員や地主・農民たちが討議を重ねて
書き上げた憲法について、皇后さまが昨年10月のお誕生日に文書で次のように
ふれられています。
「基本的人権の尊重や教育の自由の保障及び教育を受ける義務、法の下の平等、
更に言論の自由、信教の自由など、204条が書かれており、地方自治権等に
ついても記されています。~ 中略 ~
近代日本の黎明期に生きた人々の、政治参加への強い意欲や自国の未来に
かけた熱い願いに触れ、深い感銘を覚えたことでした。」
この皇后さまのお言葉は、昨年、例年に増して盛んに憲法議論が行われたこと、
特に安倍内閣が憲法改正を目論んでいることと無縁とは思えません。
そして、前回の「女子たちへ」にも引用したように、天皇陛下自らの
「平和と民主主義を守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、~中略~」
のお言葉とも見事に呼応しているのではないでしょうか。

天皇陛下は皇后さまとの結婚についても「私が大切にしたいと思うものを
共に大切に思ってくれる伴侶を得ました」と語られています。
一般の夫婦関係と同列に論じるのはあまりに恐れ多いことですが、
世界の人々の幸福を願いこの国の平和と民主主義を守りぬくために
(政治に関わることはできなくても)象徴としてどんなに孤独であっても
力を尽くそうとしてこられた天皇陛下と共に、大切なものを守りぬこうとなさる
皇后さまのお二人に、夫婦愛以上のかけがえのない同志の姿をみる思いがします。
安倍さんはいかにも天皇家を大事にしているように見せながら
実際は違うのではないか。
また、戦争で命と未来を失った人々の御霊に祈りを捧げたいというなら、
特攻で死んでいった人々も、硫黄島やサイパンで粉砕していった
誰もが「戦争のない世界を」と願って死んでいったはずで、
その人たちの犠牲のもとにあるこの世界のために、戦争を2度とおこさない
政治をこそするべきではないのでしょうか。

第69回はここまで。
次回は1月21日に。


vol.69 「五日市憲法と皇后さま」