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円さんに聞きました 1979年に「ニコニコ離婚講座」を開きましたね。その理由は? 離婚講座は、離婚をひとつの社会問題としてとらえ、女性のおかれている状況や法や制度を変えようということで始めたんです。 ニコニコと名づけたのは、離婚への差別、偏見を吹き払うため。そのために、マスコミでもずいぶん話題になりましたが、"変なヤツが出てきた・・・"って声も、ストレートに突き刺さってきました。 どんな相談が多いのですか 講座にくるのは、漠然とした憂鬱を抱えている人が遥かに多いんです。なぜなら、山ほど理由があるから・・・。 細かな、細かな理由がいっぱい。そして、それを突き詰めていってみると、案外、セックスの問題、中絶の問題に突き当たるケースがあります。 なんとか家を持ちたいという夢があって、そこでまた妊娠となると・・・現況の家族分の新居を取るか、新しい命を迎えるか・・・。そして、中絶した場合の罪悪感。夫とも十分話し合って出した結論のはずなのに、やはり妻が中絶台に乗るショックは、夫と比較になるはずもないんです。 もちろん夫自身も自分の経済力のなさに自己嫌悪をいだき、仕事や会社でのストレスも抱えている。こんなことが重なって性生活を持てなくなって離婚・・・というケースもあります。 因みに昨年の離婚件数は30万件近い。その半数の女性たちは、慰謝料も財産分与も受けていません。 日本の女性は、法識字率が極端に低い わが国では、民法786条に、財産分与の"請求権がある"と記されていますが、ほとんどの人は夫婦の財産が共有ではなく別有制ということを知らない。自分たち夫婦が築いた財産なら、当然二分割されて不思議はないんだけれども、妻(多くの場合)に与えられているのは、請求権だけなんです。 法識字率とはつまり、自分をとりまく制度や法律、政治などの知識をしっかりと持っていること。 女も、もちろん男も、社会という制度の中でしっかり生きていくためには、身体のことを含めて、そういう認識が大切だということを、離婚講座で訴え続けてきました。 農業国の民法のまま・・・。 戦後、GHQと日本の法律学者によって新しい法律が作られた時、実は現行の民法786条も国会審議の対象になった。でも、当時の日本はまだ農業国家でしたから、離婚によって農地を分割すると、農業が自滅する、食料が自給できない・・・などの理由で消されてしまいました。 今の日本は8割がサラリーマン。様々な法律や制度が大きく変わっていて当然なんですが、未だに相変わらず農業国家の、しかも核家族基準の法律が柱となっているんです。 夫婦と子の世帯はたったの3割 夫婦がいて、子どもがいて・・・という世帯は、今の日本で、実はその程度なんです。でもそれがあくまで基準ですから、様々な制度にも歪みが生じています。 現在、65才以上の女性は5人に1人が一人暮らし。 老人に限らず、今後単身世帯はますます増えていきます。家族の範囲をもっと広義にとらえることは、急激な少子化、高齢化社会に対しても、非常に大切な問題です。 現状から離れたままで施行されている税金や年金、社会保障など様々な制度は、当然不公平感や偏見を生み、子どもたちにも影響を与えます。 子どもは大人の鏡なんですから、大人たちがこういう状況では、子ども社会の問題にも対処できないのではないでしょうか。 |
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まどかのもうひとつの横顔 「国会で夫婦別姓の議員立法を初めて提出した円より子」 (1996年春号の『ファムポリティク』からの転載。この頃、円より子の通称使用が参院では許されていませんでした) 実現しそうになっていた夫婦別姓の導入が、壁にぶつかっている。別姓の強制ではなく同姓か別姓かを選べるようにという案なのだが、どの夫婦も同姓でなければと考える勢力がドッと抵抗しはじめたのだ。 2月27日付け朝日新聞は、別姓推進派の旗手である山ア順子(円より子)氏が「生き方の選択肢を広げるのは、まさに政治の責任」と語ったことを報じている。 別姓結婚が選べると信じていた世間の感覚と、国会という場所のへだたりの大きさ。女の「生き方の選択肢」を広げるために活動する女性議員の存在は貴重だ。 円より子さんといえば、ニコニコ離婚講座や週刊誌連載エッセイで広く知られている。だが、国会議員としての円さんの姿は、これまでわかりにくいところがあった。 円さんの議員生活は、参議院の比例代表制選挙システムとかかわりが深い。 92年の参議院選挙で、円さんは結成間もない日本新党の比例区名簿7位に載っていた。この選挙では、議席獲得は第4位まで。その後第5位の松崎哲久氏が日本新党を除名されている。93年夏、名簿1位2位の細川護煕氏と小池百合子氏が衆議院選挙に出たため、日本新党の名簿から2人、6位7位が繰り上げ当選になり、円さんはここで参議院議員になったのである。ところが松崎氏は党の除名は無効だとして、中央選管相手に訴訟を起こす。 高裁で円さんの当選無効判決が出る一幕もあったが、95年5月に最高裁で当選有効の判決が出て、円さん側の全面勝訴となった。 円さんにしてみれば、自分に失策はないのに議席を剥奪せよと騒がれた、災難のような二年間であったろう。円さんは、これを議席の奪い合いではなく「国家が政党に介入できるか」という民主主義の問題だと考えた。「結社の自由」のある社会なら、政党内部の人事に公権力が口出しすべきではない。 訴訟中もエネルギッシュに議員活動に取り組んできたが、当選有効の判決が確定し、不安なく仕事できる立場を得た。 その間にも政界は動き、勝訴したときには日本新党は新進党の中に入っていた。さまざまな勢力を含む大政党だが、円さんはここに身を置き国全体の経済がどうなっているか知った上で、女や老人や子どもが生きやすい社会、男が長時間労働から解放される仕組みをつくりたいという。政治家としては、反対だけ、要求だけの市民運動レベルにとどまってはいられない。 自身がジャーナリスト出身のせいか、議員の地道な活動を報道してくれないマスコミには大いに不満である。住専といえばその報道ばかりになってしまう。円さんが決算委員会で、資金運用の失敗により年金財政が破綻しつつあることを指摘しても、ほとんど取り上げてくれなかった。国民の生活を揺るがす問題のニュースバリューが、なぜこれほど低いのか。 政治を考え参加する人材を育てるために円さんが始めた「女性のための政治スクール」は4年目。これは超党派で運営され男性にも門戸を開いている。修了生はさまざまな党派から立候補し、また政治に積極的にかかわる活動をしている。 「ニコニコ離婚講座も、続くはずがないと言われた。新党ブームで人がドッときたり落ち着いたりの波はありますが、続けていくことが大事」。 プロの政治家としての活動と、すそ野を広げる活動。早口で語り、早足で歩きつづける日々である。 |
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