※文中に訂正がありました。支援ハウスの部屋代を月6万と記載していましたが、部屋代・夕朝食つき・光熱水通信費込みで月5万です。ご関係者の皆様、お詫び申し上げます。

先日、「学生支援ハウスようこそ」を訪ねました。
30年来の友人庄司洋子さんが立教大を退任した後、この4月に立ち上げたもの。

児童養護施設のことご存知と思います。全国に590施設あり、およそ28000人が在所しています。児童の平均年齢は11.2歳、平均入所期間は4.9年。孤児が多かった時代もあり、以前は孤児院と呼ばれていましたが、現在は虐待のため実の親から離れて生活せざるをえない子が最も多くなっています。

児童養護施設在所の子どもたちは1973年以降、特別育成費の支給制度が行われたことから高校進学が増え、さらに高卒者の4人に1人が大学や専門学校に進学しています。

しかし、高卒の18歳で施設を出なければならず、親許にも帰れず、住む場所、保証人、アパートの敷金等のないこと等からホームレスになる子がいるし、また女子は風俗に走り、望まない妊娠・出産をし、その子が児童養護施設入所という悪循環もあるそうです。

こうした施設卒業者の自立を少しでも支援しようと、私の友人庄司さんはNPOを立ち上げたのです。リフォームした民家には現在4人の10代女性が暮らしています。学業とアルバイトで朝と夜遅くしかいない(写真A)という彼女たちには会えませんでしたが、庄司さんから話を聞くことができました。

まず、「ようこそ」の場所はどこかを特定されないようホームページにも出さないなど情報を徹底しているとのこと。それは、寝泊まりして掃除や夜の食事の世話をしている人も含め全員が女性なので治安のためもあるし、アルバイトと奨学金でギリギリの娘たちの奨学金をあてにして取りに来る父親がいたりするからということでした。

治安という意味では若い女性の下着等の洗濯物が人目につかないよう、広い干し場まで屋内2Fに整備されている(写真B)。居住空間は会合に使える部屋と食堂、キッチン、風呂が共有。脱衣室には洗濯機も2台。2階はそれぞれ窓のある個室で、ベッド、机、クローゼット、など、これは普通のアパートと同じで各自思い思いの家具を置いていい。トイレ、洗面台も2台。これは助かりますよね、朝なんて戦争だから。庭に各自のロッカーもあり、季節毎の衣服もしまえる。

部屋代・夕朝食つき・光熱水通信費込みで月5万円。本来は夕食のみの提供だが、放っておくと子どもたちはぎりぎりまで寝ていて朝食を食べずに出て行ってしまう。そこでしっかり朝食も用意してあげることになったとか(写真C)。「甘いかもしれないけど、身体を壊したら大変だから」と庄司さん。実際、この5月には4人のうち2人が入院するほどの病に。「初めて社会に出て慣れない中で必死にがんばってるのが、身体に出ちゃったんでしょうね」

寝泊まりして支えてくれる人の人件費や、諸々の費用を考えると、とても維持できず、国・都・区などに助成をかけあっているが、縦割り行政のはざまにあって、ずっと福祉関係の教員で、福祉行政に詳しい庄司さんでも、今のままでは助成を受けることが厳しいらしい。

賛同者からの寄付が頼りだが、少しずつ始まっている児童養護施設を巣立つ子どもたちへの支援をさらに広げられるよう、私も厚労省の心ある人たちと議論を深めようと思っています。

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写真A
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写真B
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写真C
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