私の周りでは圧倒的にヒラリー支持が多かった。

人種差別が未だに色濃く残るアメリカでオバマになったことを喜んでいた彼女たちではあったが、
あの8年前の大統領選でも、本音はヒラリーが民主党の候補になってくれることを望んでいたのだ。

だから、今度こそはと思っていた。その上、相手は「メキシコとの間に壁をつくる」など人々の分断を深める
ような暴言を吐いている男性だ。「ヒラリー、あなたこそ、世界中の女たちが感じているガラスの天井を打ち破る
人だ!」と多くの人が支援していたのもうなずける(私たちには投票権がないのだが)。

私も女性に頑張ってほしいという思いは強烈にあるし、トランプがいいとは思わなかった。
ただ、本当にヒラリーでいいの?とは思っていた。オバマ大統領がヒラリーになると大きな世界戦争が
起きるのではないかと危惧し、バイデン副大統領を後継にしたいと考えている情報が入っていたからだ。
メール事件は単に国務長官の時に私的メールを使ったというような問題ではなく、リビアのカダフィ殺しに
関わっているとも聞いていた。もちろん、私には真偽のほどを知るよしもないが、単純に「女性の大統領を!」
とは言えなかったのだ。

ムーア監督はヒラリー支持者だったが、トランプに負けると早くから予想していたようだ。
それはアメリカ男性の多くが「8年間黒人に指示され続け、次は女性に8年間も頭をおさえられる
なんてまっぴらだ」と腹の中では思っているということを理由のひとつに挙げていた。
日本でも「ヒラリーって全然魅力がない。ああいう高飛車な女は嫌だ」という男たちがいた。

こういう話には「女はおとなしくしていろ、かわいい女の方がいい」という男性の女性観が見え見えで
あるばかりか、政治の世界だけでなく、女が偉くなるのは困るという社会通念が残っているから
「ガラスの天井」を突き破れないのだと痛感する。だからこそ、やっぱりヒラリー頑張れと言いたかったのだが。

大統領選後、トランプ勝利を広言していた知人からメールが届いた。霞が関の元高官で米露中だけでなく各国
の政治、金融、経済を知っている人だ。「ヒラリーにならずに良かったです。ヒラリーの場合には相当な確率で
米露核戦争になるところでした。約1か月前に、ロシアは総人口1億4千万人のうち4200万人を動員して核戦争
の際の訓練をしています。アメリカのマスコミはこのことを報道しましたが、我が国のマスコミはどこも報道しま
せんでした」と。

核戦争はもちろん困る。といってトランプも手放しでいいとは言えない。
さて、トランプになったアメリカ。これから世界はどこへ行くのか。

 

 

ヒラリーになっていたら